近年、採用活動において、FacebookやTwitterなどのSNSを活用している企業も多く見られます。
その中でも今回は、「Instagram」を利用した採用活動についてのメリットやデメリット、成功させるコツなどを説明していきます。
Instagram(インスタグラム)とは?
Instagram(インスタグラム)は、FacebookやTwitterなどのSNSとは異なり、写真や動画の投稿をメインとしたSNS(ソーシャルネットワークサービス)です。
今までのSNSと比べるとビジュアル重視となっているためオシャレな写真やかわいい写真を撮影投稿し、またその投稿は気軽にシェアすることもできます。
また最近は個人利用だけではなく企業がプロモーションなどに利用するケースも増えています。
そんなInstagramですが日本国内のユーザー数は2019年3月時点で3,300万人と発表されています。
総務省の2021年の調査によると、10代~60代の男性利用率は35.3%、女性利用率は49.4%。年代別では10代~20代の利用率が60%以上と非常に高くなっています。
利用ユーザーが若い年代であるため新卒採用はもちろん中途採用でも狙い目となるツールと位置付けられています。
就職活動を行っている人達は社員の人柄や社風、働く環境などを知りたいと思っていることでしょう。Instagramでは写真や動画をメインとしているので、これらの情報を企業側は発信しやすく、また就職活動中の方にも一目でわかるところから採用活動の場としてもInstagramは活用されているのです。
Instagram(インスタグラム)で採用活動を行うメリット・デメリットは?
Instagramで採用活動を行うことによってどんなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
下記で紹介していきます。
【メリット】
会社の魅力を視覚的にアピールすることができる
求職者は会社を探す際、職場の人間関係や雰囲気など、どのような職場なのかをより具体的に知りたいと考えています。
Instagramは他のSNSと比べて写真や動画投稿に特化しているため、普段の職場の風景や社内イベントの様子などを投稿することでき、より視覚的に会社の魅力をアピールをすることができます。
その結果、入社後のギャップが軽減され、離職率の低下にもつながっています。
採用活動の経費削減を見込める
Instagramは誰もが無料で利用できるため、コストを抑える効果も期待できるでしょう。
例えばInstagram経由で採用が決まった場合、採用にかかる費用は0円とうことになりますよね。
利用ユーザーが多く、たくさんの方に企業のことも知ってもらえ、なおかつ無料でアカウント作成から運用までできるのですから、Instagramを使わない手はありませんよね。
採用後のミスマッチを減らせる可能性が高い
人材を採用するには多くの人手と時間などのコストがかかります。採用後すぐに退職されてしまった場合、企業にとっては大きな痛手となります。
Instagramでは会社内の日常の写真や動画なども投稿して自社の情報をアピールすることができますので、ミスマッチを事前に防ぐ効果も期待できます。
ユーザーとコミュニケーションを簡単にとることができる
気軽にユーザーとコミュニケーションをとることができるのも大きなメリットの一つです。
採用掲載サイトに書かれている内容だけでは理解ができない、わかりづらい、と不安になる求職者も多いはず。そんなときInstagramで採用活動をしていれば気軽にメッセージを送ることができ交流することが可能になるため、求職者にとっても企業が身近な存在になることでしょう。
【デメリット】
継続的に更新する必要性がある
ユーザーに企業の情報を届けるには、定期的に最新の情報を発信していくことが重要です。そのため写真の撮影や加工、投稿文の考案などを都度行わなければならずデメリットの一つといえるでしょう。
運用体制を整え、複数人の担当制にして更新することも一つの手段です。
ターゲット層がずれると効果が薄くなる
採用のターゲット層がInstagramのユーザー層とあっていない場合、効果は見込めません。どんなに時間をかけて良い記事を投稿したとしても、全くユーザー層が違ったため意味がなかったというようなケースもあります。Instagramで採用活動を行う際は、採用したいターゲットを見直し、ミスマッチなどを防ぐためにも、コンテンツの投稿時に「ハッシュタグ(#)」をつけるなどの機能を活用することが大切です。
企業のイメージを下げる可能性がある
投稿したコンテンツが炎上や誤解を生んでしまう可能性があります。職場の雰囲気をアピールするために発信していたはずのコンテンツが、かえってネット上の反感を買い、炎上してしまうことがありますので、注意が必要です。
誰でも気軽に利用できるSNSだからこそ、投稿する素材や文章をよく確認してから投稿することが大切です。
適切な写真を用意できない
Instagramの投稿はとても簡単ですが、ただ写真を投稿したらいいということではありません。「インスタ映え」という言葉が流行語になったように、見栄えの良い写真を投稿しなければ、他の投稿に埋もれてしまい、スルーされてしまう可能性が高いのです。
ユーザーの目にとまりやすい写真を投稿するには、撮影段階でアングルや配色に気を配る必要がありセンスとスキルが問われます。そのためInstagramに慣れている方が担当するといいかもしれませんね。
Instagram(インスタグラム)で採用活動を成功へと導くコツとは?
Instagramで採用活動を行う際のコツをしっかり押さえておきましょう。
企業が求める人物像を明確にする
発信をはじめる前には、「企業に必要な人物像」を明確にしなくてはなりません。
例えば行動力のある若者を求めている場合、長々と会社の理念などを述べていては若者の目に留まりません。その点、仕事内容や社内の雰囲気、一緒に働く社員の紹介などを多く投稿するほうが目に留まりやすくなります。
また多くの求職者を求めるあまり、コンセプトがぶれてしまうということもありますが、この場合かえって誰にも刺さらない投稿内容となってしまうため無意味です。
求める人物像はきちんと明確にし、ターゲット層に刺さりやすいよう運用を心がけましょう。
企業本来のイメージが伝わる投稿をする
Instagramの強みはやはり視覚的にメッセージを伝えることができる点です。文字だけでは伝わらないことも多くありますが、現場の雰囲気や社員の人柄などリアルな情報を視覚的に伝えることができます。
また優秀な人材を求めるために大げさな内容や着飾った内容を投稿をするのも避けましょう。
普段と違う企業の姿を投稿してしまうと採用後のミスマッチにも繋がってしまいInstagramでの採用活動のメリットを潰すことになってしまいます。
長く働いてもらうためにも気取らず、職場の雰囲気や働く姿など、リアルな情報を発信するのが正解です。
ハッシュタグ(#)を活用する
Instagramで採用活動を行うためには投稿に必ず「ハッシュタグ(#)」をつけるようにしましょう。
ハッシュタグで投稿を検索することができるため、キーワードに興味を持っているユーザーに対して投稿をリーチすることができ、よりユーザー側が見つけやすくなります。
Instagramの投稿には最大で30個までハッシュタグをつけることが可能です。ハッシュタグには自社のコンテンツに合うキーワードをできるだけ多く設定することが重要です。ハッシュタグが多ければ多いほどユーザーの検索に引っかかりやすくなります。
ただし同じ意味合いでも、キーワードが違うと検索結果には出てきませんので関連のあるキーワードを並べるようにしましょう。また就職して欲しい人のターゲットが英語を使っている方なら英語でのハッシュタグも数個設定するようにしてみましょう。
【ハッシュタグ例】
#採用#求人#採用情報#新卒採用#中途採用 #インターン #recruit など
またハッシュタグをつけることで不特定多数のユーザーがより閲覧するようになるため、間違えた情報などを投稿すると炎上や誤解を生んでしまう可能性もあります。トラブルを回避するためにも投稿前はダブルチェックを行うなど十分気を付けるようにしましょう。
Instagram採用でおすすめの投稿タイプは?
Instagramにはたくさんの機能があります。機能それぞれの特徴にあわせて、発信の内容を変えてみましょう。
フィード
フィードは、いわゆるタイムラインのことでInstagramのメインとなる部分です。
ただし「ただ投稿するだけ」では成果を得ることはできません。上記のコツを抑えながら投稿してみるようにしましょう。
そして文面が長くならないよう、堅くならないようコメントしてもらえるような投稿文を目指してみましょう。
ストーリーズ
ストーリーズは、24時間限定で写真や動画を投稿できる機能で、国内のユーザーの約7割が閲覧していると言われています。
ストーリーズはリール機能よりも尺が短くなるため、社内の雰囲気や社員の人柄がわかるような投稿をしましょう。
ストーリーズは投稿をしてから24時間が経てば自動的に消えてしまいますが、ハイライト機能を活用すればプロフィールページに表示し続けることができるため、たくさんのユーザーから閲覧してもらうことができます。
リール
リールは15秒、30秒、最大60秒の短尺動画を投稿できる機能です。誰でも簡単に動画を編集し投稿できるため若者にも人気の機能で「Instagram版のTikTok」とお伝えすればわかりやすいでしょうか。
社員同士の雰囲気がわかる動画や、新入社員のインタビュー動画、企業の情報発信など、あらゆる動画を投稿することができ、また隙間時間で閲覧することができるため閲覧ハードルの低さも特徴です。
ライブ配信
ライブ配信機能はリアルタイムでフォロワーに対して動画を配信できる機能のことです。視聴者はコメントを送信することもでき、リアルタイムで回答しコミュニケーションを取ることも可能です。ライブ配信を開始するとフォロワー全員に通知が届きます。リアルタイムという点から配信をしている担当者の人柄などがより伝わりやすくなるのではないでしょうか。
インスタ採用では「どれだけその職場で働きたい」と思ってもらえるか、が鍵になります。会社の雰囲気や、理念が一番伝わりやすい方法で投稿してみましょう。
Instagram採用の成功事例3選!
Instagramで採用活動をして実際成功している企業はあるのか、気になりますよね。
実際に成功している事例を3点ご紹介しますので、どんなことが投稿されているのか参考にしてみてくださいね。
・三井住友カード株式会社
三井住友カード株式会社は各部署の職場の様子を投稿し、雰囲気や業務内容を把握しやすいよう工夫されています。さらに社員の素顔にもフォーカスし、どのような気持ちで業務を行っているかなどを知ることもできます。
・株式会社ディーエイチシー
採用期間中のみの投稿で削除されていることもありますが、DHCの採用専用アカウントです。
社員紹介と自社商品を一緒に紹介しており、新入社員の出身大学やコメントと共に、DHCが化粧品製造販売だけでなく、さまざまな事業を展開していることを分かりやすく投稿されています。
Instagramのユーザーは若い女性が多いため化粧品や美容関係の業界のアカウントは支持されやすく、採用と自社製品の両方を兼ね備えた投稿をしています。
・ミクシィグループ
モンスターストライクでお馴染みの株式会社mixiは社員同士のプライベートな投稿やオフィス内の紹介、そしてオフィス近くに新オープンした飲食店のことまで投稿をされています。
確かにオフィスから足を運べるランチや帰りに寄れる飲食店など、働いてみると気になるところですよね。
働く環境、とくに人間関係が良好かどうか、求職者の方はとても気になっていることでしょう。風通しの良い環境であることをアピールするためにInstagramで普段の様子、イベント情報やお役立ち情報などを発信することは、とても有効な手段といえます。
【インスタグラムでの採用活動について】まとめ
本記事では、Instagramでの採用活動に詳しくない、やったことがない方に向けてメリットやデメリット、コツをご紹介しました。
Instagramを使っての採用活動はスマホ一台で募集ができるためコストが安く抑えられることが大きなメリットです。
また今はSNSの時代、だからこそInstagramの採用は採用活動を行う上でとても効果的なのです。
そしてInstagramを運用する上で最も重要なことは「継続すること」です。
成果が出るまでに少し時間は必要かもしれませんが、焦らず定期的に投稿し続けることが大切です。投稿頻度や運用方法をあらかじめ決めておくようにしましょう。
また誰もが閲覧できるSNSだからこそ、注意を怠ると企業のイメージダウンにも繋がってしまいますので、中途半端な気持ちで望んではいけません。
まだInstagramでの採用活動を行ったことがない、という企業もこの機会に採用手法の一つとして取り入れてみてはいかがでしょうか。