人気SNS・Instagramを企業や店舗の宣伝として利用する際、便利なのがプロアカウント。
プロアカウントでは、Instagramでビジネス運用する際に便利な機能が無料で利用できます。
今回の記事では、その中の一つであるビジネスチャットについて解説します。
Instagramのビジネスチャットとは?DMとの違いは?
Instagramのビジネスチャットは、プロアカウント(ビジネスアカウント)専用のメッセージ機能であり、単なるDMではなくビジネス運営向けの機能が搭載されています。
電話やメールと比較すると、より迅速かつカジュアルなコミュニケーションが実現できるのが大きな特徴です。
顧客からの問い合わせや予約、商品に関する質問などをリアルタイムで対応することで、顧客満足度の向上につながるため、顧客とのコミュニケーションをより効率的に行えるツールとして注目されています。
ビジネスチャットの主要機能
以下で、ビジネスチャットに実装されている機能を紹介します。
グループチャット機能
複数のユーザーと同時にコミュニケーションが取れます。
アプリを開き、「新規メッセージ」から簡単にグループを作成でき、複数の顧客や社内スタッフとの情報共有がスムーズに行えます。
メッセージの受信箱分類
メッセージを「メイン(Primary)」「一般(General)」「リクエスト(Request)」の3つに分類できます。
フォロワー数が増えるほど有用な機能で、優先度に応じた効率的な対応が可能になります。
特に「リクエスト」機能では、フォロワー外からのメッセージを事前確認できるため、スパム対策としても有効です。
クイック返信(返信テンプレート)
頻繁に使用する返答文を保存しておき、ワンタップで送信できる機能です。
商品の在庫確認や営業時間の案内など、よくある質問に対して迅速かつ一貫性のある返答が可能になります。
これにより、対応時間の短縮と顧客満足度の向上を同時に実現できます。
よくある質問の設定
顧客が最初にチャットを開始する際に表示される質問を設定できます。
これにより、顧客は簡単なタップ操作で質問を選択でき、企業側も効率的に対応できるようになります。
最初に確認すべき内容をあらかじめ設定しておくことで、やり取りがスムーズになります。
ラベル機能
顧客とのやり取り状況を視覚的に管理できる機能です。
「フラグする」「予約済み」「注文済み」「支払い済み」「発送済み」などのラベルを各顧客に設定できるため、取引状況が一目で確認しやすくなります。
複数のスタッフで対応する場合でも、情報共有がスムーズになり、顧客管理の負担を大幅に軽減できます。
一般DMとビジネスチャットの主な違い
ビジネスチャットと一般アカウントのDMには、いくつかの違いがあります。
例えば、一般DMでは相手がメッセージを見ると自動的に「既読」になりますが、ビジネスチャットではメッセージの承認作業が必要です。
これにより、不適切なメッセージの管理や、返信の優先順位付けが可能になります。
また、ビジネスチャットにはDMにはない以下の機能が付帯しています。
- 受信箱の分類方法
- ラベル管理システム
- 定型文機能で返信テンプレートが作成可能
Instagramのビジネスチャットを利用するメリット
Instagramのビジネスチャットは、企業と顧客のコミュニケーションを円滑にする強力なツールです。
従来のDMと比較してどのようなメリットがあるか、以下で解説します。
無料で利用可能
ビジネスチャットの最大のポイントは、無料で使える点です。
特に資金に制約のある中小企業や個人事業主にとって、無料で高機能なコミュニケーションツールを活用できることは大きなメリットとなります。
業務効率化を実現できる
ビジネスチャットに搭載されたクイック返信機能は、日々の対応業務を大幅に効率化します。
営業時間など頻繁に尋ねられる質問に対して事前に定型文を登録しておけば、ワンタッチで返信することが可能で、対応時間の短縮とともに一貫した質の高い返答が可能になります。
また、ビジネスチャットのグループ機能を活用すれば、社内コミュニケーションも効率化できます。
顧客からの問い合わせに対して多くのスタッフが連携して対応できるだけでなく、重要な情報や資料の共有もスムーズに行えます。
マーケティングとセールス活動の強化
ビジネスチャットは顧客サポートだけでなく、積極的なマーケティングツールとしても活用できます。
新商品の発表、限定セール、イベント情報などを直接顧客に届けることができ、写真・画像や動画を活用した魅力的な情報発信も可能です。
また、ビジネスチャットを通じて、製品やサービスに関する顧客の意見や感想を直接収集できることも大きなメリットです。
これらの生の声は、顧客ニーズに合わせたビジネス戦略の立案に役立ちます。
Instagramのビジネスチャットを利用する際の注意点

Instagramのビジネスチャットは効果的な顧客コミュニケーションツールですが、活用する際にはいくつかの重要な注意点やデメリットがあります。
以下で詳細を説明します。
プロアカウント利用に関する制約
ビジネスチャットを利用するにはプロアカウントへの切り替えが必須ですが、これには特有の制約があります。
例えば、プロアカウントはアカウントの非公開設定に対応していません。
そのため、プロアカウント登録後は、投稿内容がすべて公開されることを前提に運用する必要があります。
また、一度導入したビジネスチャット機能だけを個別に停止することはできません。
機能が不要になった場合は、プロアカウント全体を個人アカウントに戻すか削除する必要があります。
その結果、分析ツールや広告機能など他のビジネス機能も同時に利用できなくなるため、導入前に総合的な判断が必要です。
業務負担の増加
ビジネスチャットを導入することで、企業や店舗によっては新たな業務が発生することがあります。
例えば、顧客からの問い合わせに対応するための人員配置の構築や、適切な回答を提供するためのマニュアル整備などです。
特に担当者が個人のスマートフォンでアカウントを管理している場合、プライベートの時間にも通知が届き、業務とプライベートの境界が曖昧になるリスクがあります。
この問題に対処するためには、明確な対応時間の設定と顧客への周知が効果的です。
例えば「平日10時〜17時のみ対応」など、対応可能な時間帯を明示することで、担当者の負担軽減と顧客の期待値調整の両方が可能になります。
【まとめ】
Instagramのビジネスチャットは顧客対応の効率化と満足度向上に貢献する強力なツールです。
無料で利用できるメリットがある一方、非公開設定の制約や慎重なコンテンツ管理が必要です。
適切な運用体制を整えることで、ビジネス成長の大きな推進力となるでしょう。