ECサイト運営を成功させるためには、まず認知度を向上させる必要があります。店舗などでブランディングができている企業は、それを強みとして販路を拡大しECサイトで販売できますよね。
それに対し、これからECサイトも始めたいという規模の小さな会社や個人では、まずは見込み顧客に販売している企業のことや商品のことを知ってもらうことから始めなければいけません。
具体的には、ECサイトを知ってもらうためのSNSアカウントを作成したり、広告などを使って購入してくれそうな人にアプローチします。
そして、購入やセミナー参加、資料請求などの行動に移すコンバージョン率を高めていくことが重要です。また、ECサイト運営成功には新規の顧客を獲得するだけでは意味がありません。
この記事では、ECサイト運営成功のカギとなるリピーター獲得をすることも踏まえ、ECサイト運営のメリットや成功事例について解説します。
企業はなぜECサイトを制作する必要性があるのか
それでは、企業はなぜECサイトを制作する必要があるのでしょうか。企業がECサイトを制作する理由は、現在ではWebマーケティングが主流となり、以前は通用していたチラシや電話営業などのアナログな方法が通用しなくなってきているからです。
最近は一人暮らしの人も増加し、家庭に1台あった固定電話がない家庭も増えています。また、顧客の方でもWebだと比較・検討がしやすいため、Webから情報を得て勉強しているケースが多くなっています。
ECサイトを制作することによって、アクセスの悪い地方の会社でも売上を大きくアップできるなど成果を上げることが見込めるでしょう。オンラインで買い物を完結させる人も増加しているため、ECサイトでの集客は上手くいけばチャンスになるはずです。
店舗集客との違いとは？ECサイトのメリット
店舗集客とECサイトでは、売る場所や売り方などに大きな違いがあります。ECサイトを構築する施策による3つのメリットをご紹介します。
時間・場所は関係なく売上につながる
ECサイトが人気の手法となっている理由は、時間や場所に関係なく売上につながるからです。店舗での販売は営業時間が決まっているため、顧客が「買いたい」と思っても店舗が開店している時間に店舗に行かないと購入ができません。
それに対し、ECサイトは店舗の人の労働時間外ですぐに対応はできないこともありますが、基本的に24時間購入することは可能です。したがって、店舗と購入者双方にメリットがあるのがメリットだといえます。
情報収集や分析がしやすい
店舗集客では上手くいかない場合、何が原因かを突き止めるのが難しいですよね。課題を見つけるのが難しいのはECサイトも同じです。
しかし、インサイトやSearch Consoleの内容、ヒートマップを見てその中身で改善案を出せるなど情報を分析しやすくデータから対策を考えられるのはECサイトのメリットです。
ホームページへの流入がキーワードから増えているのであれば、それに関連したキーワードを設定するなど、データで得た情報が役立ちます。
また、全体からどのくらいコンバージョンに至ったかを見るCTRの率を高めるためにも、この分析結果を生かせるでしょう。
固定費などを経費削減できる
ECサイトでは店舗にかかる家賃や光熱費などの固定費を削減できます。店舗運営でかかる固定費は意外と高額なものが多く、業種にもよりますが仕入れをして在庫を抱えてしまう企業も多いですよね。
ECサイトが抱える在庫の量は業種によりますが、見栄えにこだわる必要はないため、店舗よりは品揃えを多くしておく必要はありません。
したがって、店舗を持たなくても良いECサイトでは経費削減しながら販売を行えるため、費用をそれほどかけずに結果につなげられます。
サービス内容を考えてECサイトでの販売も検討できる場合は、ECサイトのみにしたり店舗とあわせてECサイトでも販売してみてください。
ECサイトで売上拡大した3つの成功事例
ECサイトで成功するといっても、イメージが湧かない人も多いのではないでしょうか。実際にECサイトで成功した実績ある企業から、ECサイトで成功するためのコツを学ぶことが大切です。
ECサイトで成功した2つの企業の事例をご紹介します。
https://liskul.com/in-house-e-commerce-example-124581
日比谷花壇
日比谷花壇は店舗での販売に加え、ギフトや自宅用としてさまざまな楽しみ方ができるECサイトでの販売も行っている会社です。国内だけでなく、海外に発送できます。
花の種類も多く、観葉植物やドライフラワー、プリザーブドフラワー、花束などがあり、花のスタイルで選ぶ幅も広い魅力があります。
日比谷花壇は創業150周年を迎えた歴史ある企業ですが、ECサイトでそのブランディング力を生かしてさらに事業を加速させています。
具体的には、2019年より花のサブスク事業である「ハナノヒ」をスタートして花を身近に感じる取り組みを行っている点が人気となりました。
花といえば店頭で購入するイメージが強いですが、それを脱却するようなECサイトでの購入という需要を強化しています。たとえば、サイト内での顧客の行動によってAIが画面をその行動に合わせて変化させるマーケティング戦略を採用しています。
このマーケティング戦略は、ユーザーのクリックという行動に応じてそれに合った提案をする画面を表示させていくものです。
お祝いのギフトを見ているユーザーに関係のない仏花を提案することがないため、ユーザーがイライラせずスムーズに欲しい商品を見つけることができる戦略として成功しています。
この戦略は、AIで行動を分析してレコメンドを出せる「アイジェンド・レコメンダー」というものです。
ニトリ
ニトリは「お、ねだん以上。」のCMで有名な住まいを豊かにすることにこだわった、家具や日用品を販売する会社です。総店舗数は1,000店舗以上で、海外にも店舗があります。
ニトリはアプリ会員数を増加させるとともに他社製品を販売するマーケットプレイスである「ニトリマーケットプレイス」を展開しています。
ニトリのEC事業は2004年から開始され、2022年には885億円の売上をあげ、EC化率は11.9%となりました。
ニトリはSNSやメディアにも力を入れ、認知度を向上することでECサイトでの売上増加を図っています。今後は「暮らしの総合マーケット」として取扱商品のカテゴリなどを拡大し、ECサイトでもさらに売上を伸ばしていく見込みです。
店舗に行かなくてもニトリの商品を確認したり購入したりできるのは、ニトリファンにとっても嬉しいですよね。
ECサイトで顧客ニーズを掴むことが成功のポイント
企業がECサイトで成功するためには、ECサイトで顧客の行動などを分析し、顧客ニーズをつかむことです。ECサイトでは店舗販売ではわからない顧客ニーズが見えてきやすく、分析結果を改善に生かすことでさらに売上を拡大させるきっかけとなります。
また、現在ECサイトで買い物をする人が増えています。ECサイトはスマホ1台あれば消費者が自宅にいながら在庫を知り、欲しいものを選んで購入できるメリットがあります。
消費者行動などのデータを生かし、今後どのようなマーケティング戦略を実行するかを検討してみてください。
【まとめ】ECサイトを活用してマーケティングを成功させよう
最近は、インターネットがきっかけで、さまざまな企業や商品を知ることが当たり前の時代ですよね。インスタなどのSNSを使ってECサイトの売上を伸ばしている企業もあり、ECサイトでのマーケティング戦略が成功へのポイントにもなっています。
固定費を削減できるECサイトで結果を出せば、費用対効果が高いマーケティングを行えます。成功している企業はECサイトがきっかけで大幅な売上アップができていますよね。
自社ではECサイトをどのように生かせるか考え、ターゲットに刺さるような施策を実行してみてください。